第四種永久機関

西日がさす部屋で

あのとき、君にどうやって伝えればよかったのか
これから、君はどうやったら信じてくれるのか


赤くて甘酸っぱい涙が咽にたまる

『運命なんて存在しない』

そう笑ったあなたから、
誰よりも強く運命を感じる


（本当は、運命なんかより
　きっともっとえぐいもの）

そんな音が刺さる


（だめだ、折れる）

半年後、考えてゆらゆら
一年後、考えてゆらゆら
十年後、考えてゆらゆら


陽炎よりも揺れる


（今はそんなことより１週間後）

ほつれてもつれて
弛んで張りつめて

切れないなら、それでいい


（繋がっていられるなら、それで）

誰も困らないなら
たくさん雨が降るのは好きだ

すごい音にどきどきする


（単に子供なだけなんだけど）

威勢のよい声と潔い太鼓
ハレの日の空高く、響け

歓喜の音はまだ止まない


（追悼も願いものせて）

優しい風は
もうじき冬を連れてくる

今年の冬は長くなりそうだ


（おいで、無彩色の季節）

涙ごと土に返ってしまいなさい
　
　
（物哀しい曇り空）

時間はとまらない
私も進むしかない

風は凛と冷たい


（朝日を待って人知れずゆこう）